「イギリスが好きだ、1年住んでいた」と言うと、「イギリスって食事がまずいんでしょ?」と聞かれることがあります。答えは「NO!」です。美味しいものもたくさんあります。では、どうしてこのように言われるようになったのでしょうか?イギリスの食事情についてご紹介したいと思います。
イギリスの名物料理は何?
有名な料理といえば、やはりこちらでも紹介したフィッシュ&チップスでしょうか。その他、ローストビーフやスコッチエッグなどは日本でもなじみがありますね。ではこれぞイギリス料理という有名どころトップ10をご紹介します。
1. Fish and Chips フィッシュ&チップス 2. Roast dinner ロースト料理 3. Shepherd's Pie シェパーズパイ 4. Bangers and Mash バンガーズ&マッシュ 5. Full English Breakfast フル・イングリッシュ・ブレックファースト 6. Steak and Kidney Pie ステーキ&キドニーパイ 7. Tord in The hole トード・イン・ザ・ホール 8. Jacket Potatoes ジャケット・ポテト 9. Scotch Egg スコッチ・エッグ 10. Haggis ハギス
1. Fish and Chips フィッシュ&チップス
白身魚のフライとフライドポテトというシンプルな素材を使った料理です。付け合わせはタルタルソース、グレイビー、カレーソースまたは潰したグリンピースなどからチョイスするのが一般的。モルトビネガーをたっぷりかけて食すのがイギリス流。
2. Roast dinner ロースト料理
Sunday roast(サンデーロースト)、Sunday dinner(サンデーディナー)とも言われ、日曜日の昼にローストした肉と付け合わせの野菜、ヨークシャープディング(シュークリームの皮部分のような中が空洞の生地)を食べる習慣があります。肉は牛、ラム、豚、チキンなどお好みで。仕上げにグレイビーをドバっと回しかけていただきます。
3. Shepherd’s Pie シェパーズパイ
パイと言ってもパイ生地ではありません。トマトやウスターソースで味付けしたラム挽肉にマッシュポテトを被せてオーブンで焼いたものがこのシェパーズパイ。ラムの代わりに牛挽肉とにんじんどの野菜を使ったものはCottage Pie(コテージパイ)です。
4. Bangers and Mash バンガーズ&マッシュ
大振りの肉肉しいソーセージをグリルまたは焼いたものをマッシュポテトの上に盛ったのがこの一皿。シンプルですがガツンとしたインパクトある料理です。肉好きにはたまりません。
5. Full English Breakfast フル・イングリッシュ・ブレックファースト
ソーセージ、卵、ベーコン、ベークドビーンズ、焼いたトマト、マッシュルーム、ハッシュドポテトとトースト。元は労働者が一日中働くために腹持ちのいいものを食べたのがこのフル・ブレックファーストの始まり。これをお腹に入れたらランチはごく軽めまたはパスしても差し支えないほどのボリュームです。「イングリッシュ・ブレックファースト」と言いますが、各国ではそれぞれ「スコティッシュ・ブレックファースト」「ウェルシュ・ブレックファースト」などの名前の下、多少のバリエーションが加わります。
6. Steak and Kidney Pie ステーキ&キドニーパイ
こちらのパイはパイ生地です。とはいえ、イギリスのパイ生地はShortcrust(ショートクラスト)というタルト生地っぽいものが主流。層になっている軽いサクサク生地のFlaky Pie(フレイキーパイ)はあまり料理には使われません。中には牛肉と牛やラムなどの腎臓がビーフシチューのような感じで煮込まれたものが入っています。やはりグレイビーが欠かせません。
7. Tord in The hole トード・イン・ザ・ホール
「穴の中のヒキガエル」???何のことはない、ヨークシャープディングの生地にソーセージを横たえてオーブンで焼いたものがこちら。熱々に焼き上がったものにグレイビーをたっぷりかけて食べます。
8. Jacket Potato ジャケット・ポテト
ジャガイモをよく洗って塩とオイルをまぶし、オーブンで丸ごと焼いたもの。付け合わせはツナサラダ、ベイクドビーンズとチーズなどバリエーションがあります。シンプルだけど美味しい組み合わせです。
Scotch Egg スコッチ・エッグ
名前からはスコットランド発祥と思いきや実はロンドン・ピカデリーの高級デパート「Fortnum & Maison」(フォートナム&メイソン)が18世紀に発明したと言われています。こちらの料理はメインディッシュではなく、軽食のようなものです。温かいものではなく冷たいものが出されるのもしばしば。ピクニックフードとしても定番です。
10. Haggis ハギス
スコットランドの伝統料理です。牛の内臓を刻んだ玉ねぎ、オートミール、牛脂、ハーブ類と一緒に胃袋に入れて煮込んだもの。レバーとかもつ煮込みとかと同様できちんと料理されていれば臭みもなく美味しいです。もちろんスコッチなどのお酒にもぴったり。
以上が伝統的なイギリス料理です。これでもまだイギリスの食事はまずいと思うでしょうか?
確かにフランス、イタリア、スペインなどは味付けが凝っていたり味に変化がある食べ物が多いので、比較するとイギリス料理は似通っていて(グレイビーばかり・・・)味付けも塩胡椒だけ(下手したらそれもなし)なので、地味だし質素な感じがあります。でも私はイギリス料理には美味しいものがたくさんあると思います。
みんな普段何を食べているの?
フル・イングリッシュ・ブレックファーストもありますが、朝はシリアルやトースト、オートミールのポーリッジ(おかゆ)などを食べる人が多いようです。シリアルには色々な種類やフレーバーがあります。またWeetabix(ウィータビックス)という小麦を俵形に固めたものに牛乳をかけて食べるのも定番です。これだけだと味がしないので、ハチミツやジャム、フルーツと一緒に食べるとおいしいです。
こちらで購入可能です。
昼は仕事や生活環境によって異なりますが、弁当のようものを持参する場合は日本のように凝ったものは持っていきません。サンドイッチにりんご(イギリスのリンゴは手のひらに乗るくらいの小さめサイズ)やバナナそしてお供には小さなCrisps(ポテトチップス)のパック!これはイギリスではイモが主食なのでそれの代用なんでしょうか。
イギリスのポテチといえば大人気なのは「ウォーカーズ」です。食べ切りサイズでいろんなフレーバーがあります。脂っこくないし小さいので女性でも1回で食べ切れちゃいます。
イギリスはベジタリアンや宗教上の理由で肉を食べない人も多いので「これ」という定番の食事をいうのは難しいものですが、夕食はローストした肉と野菜、スープやシチューなどを食べる家庭も多いようです。日本と大きく違うのは一人で夜外食しないことです。
最近はファストフードの店もあるので、変わってきているかもしれませんが、基本的にはレストランは社交の場でもあるので誰かと一緒に行くのが一般的です。
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